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2008年07月14日

胡同(フートン)の理髪師

胡同(フートン)の理髪師
「胡同(フートン)の理髪師」監督ハスチョロー 主演チン・クイ 

リウボウホールでの上映を見逃して残念と思っていたら
1日だけパレット市民劇場で再上映(映画センター企画)ということで
観ることが出来ました。

オリンピックに向けて狂ったように変貌しつつある中国の北京。
急速な都市開発の陰には大切なものが一瞬にして失われていくことがある。
そんな大切なものを見つめさせてくれる映画でした。

胡同は北京の中心部にある下町で
路地が毛細血管のごとくはりめぐらされているのだそうです。
中庭を囲むように数世帯の家屋でワンセットになった
そんな長屋街がびっちりあって、その昔ながらのたたずまいはいい感じです。

最近になって観光的にも注目を浴びてきていたようですが、
オリンピックに向けて、北京をキレイな近代都市と見せるために
一掃されてきていると、1週間ほど前の新聞にも載っていました。

この映画が撮影されたのはたぶん2年前で
映っている家屋や路地は、今現在はもうないかもしれないと、
そう思うととても残念でなりません。


ハスチョロー監督は数年前テレビのドキュメンタリー番組でチンさんを見て
その姿にすっかり魅了され、この映画を撮るに至ったのだとか。

チンさんの雰囲気を演じきれる俳優がみあたらず
93歳の本人が実際の人生を演じるということになったのです。

このチンさんの居住いやふるまいが、静かに見る者に流れ込んでくるようで
監督はより多くの人にチンさんから受ける印象をお裾分けしたい
分かち合いたいと願いこの映画を作ったのだと思います。

静かなチンさんの日常がドキュメンタリープラスアルファで描かれています。
チンさんのお客さんや仲間のお年寄りも
大半は実際のチンさんの友人なんだそうで
役柄も本人そのものを演じているのでとても自然です。

ところで、中国は家族や血縁の結束が非常に強いと思っていましたが
それも、近代化の中で大きく揺らいできているように映画を観て感じました。

最後まで個人として生き、生活の流儀を守り、争わず、死ぬ時もこぎれいに・・・。
こんなまれに超越した美しい老人も、また中国的であるのかもしれません。

そして、こんなドキュメンタリータッチの静かで美しい映画も
かの国は生んでいるのですねえ。(うーん・・・・・)


追)ハスチョロー監督はモンゴルの出身ということです。


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Posted by まあやん at 19:22│Comments(0)趣味(映画)
 
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