＊てぃゆる＊

「日本の黒い夏」原作：平石耕一　監督：熊井 啓　出演：中井貴一　寺尾聰 　細川直美　2000年　日本

1994年6月に起こった「松本サリン事件」
正体不明の毒ガスによる被害者は死者6人、負傷者660人・・
翌年の地下鉄サリン事件の陰になって詳細を忘れがちですが
こんなに被害者が多かったのかと改めて驚きました。

日本で初めて起きた化学兵器テロ事件であるとともに、
無実で被害者で第一発見者の河野義行さんを犯人扱いする論調が、マスコミ的に過熱・暴走していった冤罪・報道被害事件としても印象に残っている事件です。

ほとんど事実にもとづいたドキュメンタリーとも言えそうなノン・フイクション作品です。
実際に松本の高校の放送部が「テレビは何を伝えたか」というドキュメンタリーを制作しているのですが、
その際に高校生がテレビ局に行き取材をしたことが映画の内容となっています。

主演は最近のドラマ、冤罪を扱ったマツジュン主演の「スマイル」で弁護士役だった中井貴一
この手の役柄はハマリ役でほとんど「スマイル」と同じキャラクターでもありました。

第一発見者役は寺尾聰がたいへん好演しています。

裁判員制度がスタートしたまさに今、
スマイルはフィクションですが・・
実はあのような冤罪が起こり得ないとは言いきれないわけで、考えさせられるドラマでしたが
こちらは更に事実に基づいているので、一層考えさせられる、言うならば「教材」にもなる映画です。

なにげにビデオで観はじめた作品ですが、勉強になりました。

それから、キャスターや編集委員のような人たちも
画面に映っていないときは、様々な業務をこなしたり奔走したりしてるんだぁと知ってちょっと驚きました。
ご苦労様です。
どうぞ、これからもいい番組を期待してます！